プライベートウォールの基礎知識

■作って放置してしまわないように

 クライミングジムを経営しているから言うのではありませんが、プライベートウォールを自作するにあたって、一つのアドバイスがあります。

 壁を作ることは簡単です。

 しかし、壁をしっかり使っていくことは難しいです。

 プライベートウォールのハード面ばかり考えて、ソフト面をおろそかにすると作ったところで満足して登らない壁になってしまいます。
 せっかくプライベートウォールを自作したのに、奥さんの洗濯物の物干しになってしまっている。子どものおもちゃ置き場になっている。作ってしばらくして飽きて使わなくなった。ということをたくさん聞きます。
 自分専用のクライミングウォールが欲しいと思って作ってしまったはいいけど、自分だけが作る課題というのは意外に面白くないものです。自分の限界を超える課題を作るのはなかなか難しいですし、同じような課題ばかりになって結局は飽きてしまうという方も多いようです。
 プライベートウォール作成に何十万もかかったけど、結局短期間で飽きたので、それならジムの1年パスを買ったほうが安かったという笑えない話もございます。
 なので、プライベートウォールを作る前には、作った後で課題やルートを誰が作成するのか?ということを考えておいたほうがよいと思います。

 単純なトレーニングだけなら、メトリウスなどで発売されているトレーニングボードや、キャンパスボードを作ったほうが効率的かもしれません。

 その辺も作る前に考慮しつつ、製作にとりかかって下さい。



↑鹿児島大学山岳部の部室です。
 以前はホームボルダー13aというのを置いていたのですが使われなくて、道具置き場になっています。課題が面白くないと物置に変わってしまうことが多いです。(ちなみにこのホームボルダー13aは時々使っていました、合宿が近くなると物置に変わっていました) 

プライベートウォールに最適な傾斜

 プライベートウォールを作るにあたりまして最適な傾斜はといいますと、だいたい120度〜140度くらいが最適かなと思います。
 最初は頑張ってルーフとか思いついてしまいますが、ルーフだけはやめておいたほうがよいと思います。というのは、170度以上のルーフはもてるホールドが基本的にガバばかりになってしまって、意外に面白くありません。最初はルーフは楽しくてたくさん登るのですが、飽きるのも早いです。


↑最初に作るならルーフはやめておいたほうが無難かと思います。

 逆に垂直(90度)壁というのも考え物です。場所に制約があって、垂壁しかできないというならば仕方ありませんが、前傾できるなら、1度でも前傾させたほうがよいでしょう。垂直壁でガバをつけちゃうとそれまた全然練習にならないです。全くパンプしませんから。とてももちにくい(悪い)ホールドを取り付ければそれなりに練習になるのでしょうけど、極小ジブズや悪いスローパーでじわじわ登るという感じになります。それ系が好きな人はいいかもしれませんが、それなりにトレーニングに使いたいのであれば、120度くらいの傾斜にしたほうがよいと思います。これくらい傾斜をつければ、シンプルにガバを何個かセットして、長い課題を作ればそれをやるだけで練習にはなりますので。


↑垂直もやめておいたほうがよいです。


↑左側は110度くらいの傾斜ですが、これくらいあるといろいろ練習で活用できます。


こういう使い方はいかがですか?

 前項で、ちょっと耳に痛い話をしてしまいました。やる気満々だった人に水をさしてしまってスミマセン。
 しかし、日本にたくさんクライミングジムができましたが、それは都会の話。ちょっと地方都市へ行けば、ジムまで片道1時間以上かかる方も多くいらっしゃるかもしれません。また、仕事が忙しくてクライミングジムに通うことは困難という方もいらっしゃるでしょう。
 そういう方は、必然的にプライベートウォールを建設しないと、クライミングの技術をのばすことができません。

 人工壁の出現により、昔の高難度は、いつしか誰でも登れるグレードになってしまいました。

 例えば、5.11のグレードは15年前の鹿児島なら、誰からも一目おかれる高難度グレードでした。

 しかし、人工壁ができ、週に2、3回、天候に左右されずに常時練習できる環境になりますと、3ヶ月も経たずにそのグレードが登れたりします。

 その劇的な進歩は人間が15年で一気に進化したということはないでしょうから、クライミングの練習環境が昔よりはるかによくなったことで、登れるグレードが広がったのだと思います。

 週に2回、3回と常時練習できる環境をつくっておくことが上達の近道であると私は思いますので、地方都市や郊外にお住まいの方はぜひプライベートウォール自作にチャレンジして欲しいと思います。

 そこで、どうやったら飽きないウォールになるかと考えてみました。

 1つはソフト面の充実だと思います。

 営業クライミングジムを経営しておりますので、それなりのスキルを持ったスタッフが常駐し、日々課題を量産しております。また、うちのジムの場合は、お客様も課題を作ったりします。時には、ルートセッターを招待することもあります。

 そうやって日々努力して、飽きないように工夫しておりますが、プライベートウォールだとセッターを呼ぶとかはなかなか金銭的にも難しいかもしれません。

 一番よいのは、クライミング仲間にも使ってもらうことです。自宅だと仲間が勝手に出入りするのは家族の目もあって厳しいかもしれませんが、例えば毎週水曜日に集まって練習するなど、仲間と一緒に練習するとよいです。

 ここでアドバイスするとしたら、ちょっとケチな話ですが300〜500円くらいのお金を1回使用したら支払ってもらうことです。その費用は全部、次期に購入するホールド代としてストックしておきましょう。

 お金が貯まったらホールドを買い足す。そういう流れをつくれば、どんどん課題も増え、ホールドも増え、飽きない壁になるかと思います。

 初期の鹿大ウォールでは、プチコンペなるものを実施して、うまい人にセットをお願いしたりしていました。そうするのも手だと思います。


↑鹿大ウォールでコンペの模様。昔はこんな狭い壁でコンペをやってた。すごい時代です。


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